東京都足立区。

 奥州街道・日光街道の宿場町であり江戸四宿の一つだった「千住宿」は、World Heritage(世界遺産)『日光の社寺』へまっしぐらな特急スペーシアを擁する東武鉄道をはじめ、JR・東京メトロ・つくばエクスプレスが行き交う一大ターミナル・北千住駅へと変貌!

いつでも参拝客でにぎわう関東厄除け3大師の一つ「西新井大師」や、縁日などで有名な元祖超B級ソウルフード「文化フライ」、綾瀬川・荒川・隅田川に洗われた義理人情と歴史・文化が見事に溶け込む、人口約69万人、日暮里・舎人ライナー開通でアクセス良好エリアへと躍進した「世界の北野・足立区のたけし」を育くみし都内屈指の下町。
DSC_2628
(舎人氷川神社。区域に点在する多くの寺社仏閣は隠れパワースポット)

駄菓子に駄玩具、プラモあり。
冷えたジュースにアイスあり。

今回は日暮里舎人ライナーのお膝元、都内でも屈指の広さを誇る舎人公園近くにあり、モヤさま・ちい散歩・アド街ック天国にも取り上げられた素敵な駄菓子屋「八米商店」です!
DSC_2626
(朱色のテントが神々しい。八米商店は舎人の誇り!)
DSC_2615
(とても広い店内。整然と並ぶ駄菓子・駄玩具類は圧巻。)

八米と書いて「はちよね」と読みます。

「名の由来?それはね、元々うちは八百屋だったからだよ。それの名残だね。八百屋時代の暖簾分けで八米になったの。前はテントの所にデカデカと看板掲げてたんだよ。」

明朗快活!という言葉がピッタリ!
とても明るくユーモアセンス溢れるおじちゃんが事細かに色々と教えてくださいましたが、今年(2020年現在)80歳とは思えません‥若い、若すぎる!!

今の様に舎人の街に宅地や団地が建ち並ぶ少し前の昭和50年(1975年)、『八米商店』は創業しました。

「創業当時の写真あるから、見てみる?この辺りなんて、完全に畑だったんだから(笑)

町に歴史あり、店に歴史あり。
おじちゃんは開店初日の様子が収められた貴重な写真を見せてくださいました。
DSC_2606
(開店初日を収めた貴重なスナップ。当時の様子がよくわかりますね。昭和50年)

創業以来、おばちゃん・おじちゃんが育んできた40有余年の歴史。

それは、住宅・団地が建ち始めた開発初期〜日暮里舎人ライナー開通によりシャレオツに進化を続ける現在に至るまで、舎人の歴史と重なります。

「団地もマンションも次々と建てられてね。子供達も多かったよ〜。だから、オモチャも飛ぶ様に売れてね。デコトラシリーズ、名城シリーズ・戦艦シリーズも。知ってる?」

昭和53年(1978年)生まれの筆者。

上記のシリーズ物には手が出なかったものの、幼少期は「ガンプラ・ミニ四駆・ゾイド」などにハマっていた旨をおじちゃんに話すと、「あ〜懐かしいね。すごい人気だったでしょ。」と、往年を懐かしむ様に破顔。

さらに色々なオモチャの事を教えてくださいました。
DSC_2627
(店の中央に島式の駄菓子ホーム。壁際には玩具類が置かれている)
DSC_2625
(特筆すべきは壁に貼られるポスター達。40年の歴史がギッシリ!)

ここで「八米商店」店内の様子を。

コンクリ仕様の広い土間空間の中央に島式の駄菓子ブースがあり、それを囲むように壁際に駄菓子(大入袋含む)・駄玩具・おもちゃ類・仮面にタコまでもが置かれています。

見やすく・動きやすく・選びやすく・・・
これは子供達の動線を意識しているのでしょうね!

この配置は、おじちゃん・おばちゃんの優しい配慮の賜物と言えます。

そして特筆すべきは、壁に貼られる無数のポスター達。

仮面ライダー(これは初代ですかね?)から、ポケモン・エバンゲリオン・ロボット大戦・なめ猫などなど。
まさに40年の歴史が散りばめられているが如し!

これは胸の奥の柔らかい何かを鷲掴みされた様な感慨に浸ってしまいますね・・・
DSC_2616
(中央の島式ブースには子供達が貼っていったであろうシールがいっぱい。ベジータ様~)
DSC_2611
(充実過ぎるシール類のラインナップ。選んでる時は大人でも楽しい)

かつて菓子問屋が200軒近くも軒を連ねていた荒川区・日暮里の盛衰や、おじちゃんご自身が日本橋近くの八丁堀(筆者も前職はこの周辺勤務)で働いていた事など、ユーモアを交えつつ話してくれ、筆者は笑いっぱなしでした。

そして、「こういうの見たことある?これは鉄ゴマって言ってね。昔はこういうのが主流だったんだよ。プラスチックを経て、今は軽くて丈夫なタイプになったんだよ。」と珍しい昔玩具などの紹介(筆者も初見)もしてくれましてね。
これが、本当に勉強になりました。
今度は色々と買ってみて、自身で研鑽してみようかな〜
DSC_2618
(ベーゴマと鉄製ゴマ。鉄製って初めて見たし持ったし、ズッシリして感動!)

「コロナがどうなるか分からないけど。病気にかかってたり、倒れてなかったら店あけてるからさ(笑)。また遊びに来なよ!あっ、でも倒れてて店閉めてたらゴメンね(笑)」

今日一の笑顔で言ってくれたおじちゃんの、ユーモア+ソフト自虐的なお別れの言葉に再度大笑いしながら、再訪を誓い店を後にしました。

北野武さんが幼少期を過ごした足立区には、老若男女の笑い声が聞こえる素敵な駄菓子屋がありました。
皆さんも、訪れてみてはいかがでしょうか?

「八米商店」アクセス
東京都足立区舎人5-21-10
定休日・月曜日