福岡県糟屋郡に位置する志免町は、福岡市に近い住宅地でありながら、かつては石炭の採掘で大きく発展した町で、明治時代に海軍の採炭所が開かれ、戦後は日本国有鉄道志免鉱業所として石炭を掘り続け、1964年の閉山まで多くの人が働いていました
町の中心に残る旧志免鉱業所竪坑櫓は、1943年に完成した高さ47メートルを超える鉄筋コンクリート造りの建物で、国の重要文化財に指定されています、地下から石炭を運び上げた大きな櫓が今も町の中に残り、炭鉱が志免の暮らしを支えていた時代を伝えています
最盛期には炭鉱で多くの人が働き、人口も大きく増えた志免町は、閉山後に住宅地として姿を変えてきました、竪坑櫓の周りから町へ歩いていくと、昔からの道と新しい住宅が混ざり、炭鉱の町から福岡都市圏の暮らす町へ変わってきた時間が重なっています
商店や学校のある道を歩けば、炭鉱で働く人たちの暮らしを支えてきた町の普段の姿にも目が向きます、仕事場だけでなく、買い物をする店や子どもたちが過ごす場所があってこそ町が続いていく、そんな当たり前の風景の中に駄菓子屋もありました
旧志免鉱業所竪坑櫓を眺めながら、昔からの道や住宅地を歩き、その先にある駄菓子屋を探していきます、地下では石炭を掘り、地上では子どもがお菓子を選ぶ、役割はずいぶん違いますが、どちらも町の暮らしを支えてきた場所です