何度押したことだろう・・・・
何度食べたことだろう・・・・

そして何度歓喜に震え、何度無念の涙を流したことだろう・・・・・

聞こえるメロディは十人十色。
僕にはこう聞こえた、「ジュッテンチュルルン」。
指紋のように国民全てに違う効果音で聞こえていたのであろう。そう信じてる。
ボタンを押してからオレンジの、ブルー.イエローの、激レア・レッドの、丸いガムが簡易なパチンコ台を滑り落ちてくる時の「あの効果音」を僕は忘れない・・・・
ありがとう!パチンコガム。
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 (オレンジ=はずれの味は、My Favorateガム。一番好き)

命を懸けて「100円当たりの赤」を目指して押し続けたあの頃。
圧倒的多数のオレンジ(はずれ)しかでないのは分かってた。
子供心に「社会なんてこんなもんさ」と教えてくれたのは、社会科のある小学校でも教科書でもなんでもなく、「パチンコガム」だった。
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 (ざんねんの味。それが至高に旨いと知るのはもう少し後の話)

パッキーカード(モノホンのパチンコに使用するカード。まだあるのかなぁ?)を手にパチンコ行きまくってたあの頃。
ふと「パチンコガム」を思い出した。
「社会なんてそんなもんさ。」
「当り」は無数の「はずれ」の上に成り立つもの。

のめり込まずにすんだのは、幼き頃の「パチンコガム」が教えてくれた10円玉の教訓だったのかもしれない。

駄菓子屋研究家となった現在。
家を出る前に、玄関で一日一回必ずあのボタンを押している。

「ジュッテンチュルルン。」

色はもはや関係ない。
あの頃と変わらぬメロディーと共に毎日一粒のガムをかみしめながらこう思う。
「今日も一日頑張ろう!」と。