昭和24年(1949年)。
まだ戦後の混乱が続いていた時代、愛知県安城市に一つの会社が産声をあげた。

「ムギムギ」や「ポテトスナック」といった駄菓子屋のみならず全国区のコンビニ・スーパーにも流通するヒット駄菓子を世に放ったその会社は、「激動の昭和」と後世が謳うノスタルジックな時代を駆け抜けた。

平成25年(2013年)。
バブル以降、不運(ハードラック)と踊(ダンス)っちまってる平成ニッポン。

上記の会社は少年ジャンプ黄金世代や平成世代に手頃な価格で親しまれ、味・形状・パッケージと共に、その胸に思い出を存分に刻み付け、偉大なる役割を「廃止」という名で終えようとしている。

そう!
その会社の名は「いずみ製菓株式会社」。

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 (ありがとうポテトスナック!胸に刻もう、その思い出を)

1ヶ30円というお手頃価格で、子供だけではなく、ある程度おっさん世代にも小腹がすいた時やおつまみに重宝されていた「ポテトスナック」。

駄菓子屋のみならず、コンビニでも売られている事も多く、たくさんの人が目にした事があろう逸品。

しかし、購買の多数を占める子供の減少と、急激な円安による原材料の高騰により、いずみ製菓株式会社の菓子事業部は2013年6月末で「廃止」を余儀なくされるという・・・・・

いずみ製菓 菓子事業部廃止のお知らせ


哀しみを背負うたびに強くなる伝承者もいる。
しかし我々は哀しみではなく、思い出を背負って強くなっていく事にするよ。約束する。「ポテトスナック」よ、ありがとう!


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(かる~い塩味がイカス。伯方の塩を使用)

原材料の高騰もさる事ながら、消費税のUPも駄菓子業界には痛恨の一撃になる事は間違いなし。
事実、末端の駄菓子屋では消費税をとっていない店が多くあり、8%に上がったら考えると話すおじちゃん・おばちゃんも一人や二人ではない。
もちろん、消費税をとるという事と店をたたむという事、2つの意味が含まれている事は言うまでもあるまい。


駄菓子は日本が誇る守るべき・継承すべき文化。
思い出を刻むと共に、我々にこの文化を守り抜く為には何が出来るのか?何をしたらいいのか?

いずみ製菓はその問いを最期に投げかけてくれたのかもしれない・・・・・・・・・・