東京都葛飾区・立石。

「キャプテン翼」の作者・高橋陽一先生の母校である都立南葛高校(翼君達の母校南葛小・中はここの名がモデル)の存在感と、戦後の闇市の佇まいを今に色濃く残すDEEPな「立石仲見世」の凄まじさが、あなたの心にスカイラブハリケーンを巻き起こすこと間違いなしであろう町。
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 (行けばわかるYOこの渋さ!立石仲見世商店街)

今回はその立石で、代々「アバヤ」の愛称で親しまれ続ける駄菓子屋「中村商店」を御紹介します。

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 (あたらしくなったアバヤ。変わったのは外観のみ)

それにしても「アバヤ」とは面白い名です。なぜそう呼ばれているのでしょうか?

おばちゃん曰く、元々「ババヤ」とか「オバヤ」とか、学校・学年毎に違う愛称で呼ばれていましたが、30年位前に或る小さな男の子が上手く発音できずに、「アバヤ・アバヤ」と言っていたのが定着していったそうです。

駄菓子屋の愛称を結果的にせよ統一した、今ではおっさんであろうその小さな男の子と、その愛称を世代や学区を超え、永きに渡り継承し続けてきた立石の子供達に最大限の敬意を称します。

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 (おばちゃんとの対面PK形式のアバヤ。話も弾む)

ところで皆さんは、立石が「下町の首都(酒都)」と言われているのを御存知ですか?

再開発の雪崩攻撃をブロックしつつ、前述の喋々サンバな「立石仲見世」とジグザグサンバな路地的町並みのゴールデンコンビが未だ健在!なことがその所以と言われていますが、それだけで首都を名乗れるほど下町は甘くありません。

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 (年季の入った箱に詰められた駄菓子。趣MAX)

「アバヤ」の愛称を世代を超え伝えていった連帯感・土地柄、れっきとした「中村商店」という商号があるにも関わらずその愛称に誇りをもつおばちゃんetc・・・

そうした数々の喜怒哀楽物語の集大成こそ、立石が「下町の首都」と言われる根底を支えているのだろうと筆者は感じました。

「結婚・引っ越しなどで、立石を離れた子供達が大きくなってひょいと来てくれる事が何よりうれしいよ。家は新しくなったけど、昔のまんま待ってるからね」と言っていたおばちゃん。

この言葉のもつ温かさこそ、南葛V3の・・・・・いえいえ、立石を「下町の首都」に押し上げた原動力なのだと強く感じました!


「アバヤ」アクセス
京成押上線「立石駅」徒歩5分
東京都葛飾区立石4-31

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