「ねえ、いいじゃん!名人に・・・橋本名人に会わせてよ!!!!!」x3

受付フロアに響き渡る、甲高い3人の少年の声。

橋本名人 とは、知的かつ愛嬌あるメガネがトレードマーク。
ユーモラスで分かり易い解説が神ってるバンダイ が誇ったファミコン名人の事。
ハドソン=高橋名人 コナミ=毛利名人と共に、世のファミコンロッキー達を熱狂させた、昭和40年代後半~同50年代前半生まれの人達にとっては雲の上の存在でした。

時はバブル前夜の1987年。
夏休みも残りわずか・・・の、ある晩夏の午後。
東京のド下町台東区・駒形の旧バンダイ本社ビル1Fでの光景。

当時、「下町の学習院」と謳われし台東区立・田原小学校 の3年生だった3人の少年が、メディアに引っ張りだこで社内にいるかもわからない超ハードワーカーな橋本名人に会いに(ノーアポなのはろんのもち)バンダイ本社に乗り込んだ奇跡の物語。無論、実話なり!

まあ、とりあえず。
同世代は記憶を呼び起こす意味でも、知らない人は知らなきゃハドソンだから一回見とき。
名人自ら監修+主人公(ハシモトザウルス)を務めた「ポケットザウルス 王剣の謎」をね!

(「ポケットザウルス」のオープニング。歴史的スぺクタルな要素もあるぞよ)

冒頭の言葉を皮切りに、益々勢いを増す少年達の8ビットなお願い・・・・

一悶着の後、戸惑いながらも子供達の向こう見ずなド根性に根負けし、「わかったわかった。名人社内にいらっしゃるか?聞いてみるから・・・」と渋々承諾。
以後は当初の戸惑い+ソフトな拒絶が嘘の様に、100%こちらの味方になって、各署に掛け合ってくれた受付のお姉さん。

数分後。

「良かったわね~、ボク達。名人は○○(うる覚え)で待ってるから。一緒に遊ぼうって言ってくれてるわよ!!」と、小躍り+少々興奮気味に話してくれたお姉さんの姿、僕は今でも明確に覚えていますYO!

「あきらめたら試合終了だよ・・・」

僕らにその事を教えてくれたのは安西先生ではなく、今では孫がいてもおかしくないであろうお年頃のおばあさ・・ゴホゴホ、お姉さんでした。
この場を借りて改めて御礼申し上げます。本当にありがとうございました!
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(今でもね。里帰り時は子供と遊ぶんですよ。ここで。バンダイは30年来の友!)

エレベーターが開いた踊り場で、出迎えてくれたメガネ姿の名人。

あの感動、そして興奮は生涯忘れない・・・・

名人が一緒に遊んでくれた身震いする様な小1時間のPrecious Memories。 
しかし、矛盾するようだが、何の話をしたか、何のゲームをやったかなど、細かい内容は殆ど覚えていません(笑)。

それは友人2人にしても同じ事で。
僕らにとって「夢」の様な出来事で舞い上がっていたから仕方がない事なのでしょうけどね・・・

時代が時代だったとは言え、名人含めたバンダイのおおらかで優しき対応(毎週土曜に開催していたポピーも最高でしたよ)が、町を散々歩きに歩き、人に散々聞きに聞き、やっと出会ったボスキャラを倒し・・じゃなく、駄菓子屋見つけて話を聞いて経験値GET!!なリアルRPG的「駄菓子屋ハンター」としての資質と、未知の分野を切り開く探検心を植え付けてくれていたのだなぁ・・・と改めて実感しております。

僕が若くてカッコ良ければ絵になりますが、もはや不惑(40歳)前のキモイおっさんだからなぁ。
痛すぎて笑ってくれや!
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(一応、社会人としてなんとかやれています(笑))

ところで。いくら隣近所の垣根が薄かった当時の下町在住のじゃりん子達とはいえ、何の理由も無しにバンダイ本社に突撃した訳ではないのです。
その訳?
お~話してやんよ~。
耳の穴かっぽじってよ~く聞けやぁ!

発端は馴染みの駄菓子屋「駒形・ババヤ」での会話。
アーケード版「戦場の狼」で、4面位から出てくるマシンガンをぶっぱなす狙撃兵的ソルジャーに歯が立たな過ぎて、半ば投げ遣り的に誰かが放った「橋本名人なら超せる(クリアできるの意)んじゃない?聞きに行こうぜ、バンダイに!」と言うオメガドライブな願望。

まあ、どちらにしても、カプコンさんの「戦場の狼」攻略法をバンダイの名人に聞きに行くと言うスカイラブハリケーン級の無茶苦茶なお願いだったんですなぁ・・(笑)
そして、名人にあった瞬間、僕らは全身全霊をかけたその使命を100%忘れてしまった事は言及の必要ございませんよね(笑)。

とにかく、ババヤでやり込んだ「マイティ・ボンジャック」や「魔界村」・「戦いの挽歌」などは、BGMや何から何まで今でもよ~く覚えとりやす!って事です。

(我がババヤには2台のゲームがあってね。20円のと50円のがあった)

「あ~はいはい。良かったね、会えて(笑)。味くらべ、30円。」

バンダイを後にし、我が巣のババヤに戻り、「名人に会ってきたYO!おばちゃん!」と、厚顔な少年達が興奮冷めやらず紅顔しながら話す自分本位の話(激流)を、優しくあくまで自然に受け流すおばちゃん(静流)。

「こ・・・この動きは!!ト・・・トキ!!」

当時はそんな事思いもしなんだが、おばちゃん・・。
子供達の自分勝手な豪の話を、柔の受け答えで流しながら、素敵な空間を創ってくれていたんですね・・・

「挨拶。ありがとう。ごめんね。この3つが出来れば学歴無くても大丈夫。社会に出ても大丈夫」

僕の座右の銘は、歴史上の偉人の言ではなく、いつもおばちゃんが言っていた言葉なんだよ。

社会に出て改めて気付かされた、この3つが出来れば本当に大丈夫だって事。
そして、いい大人なのに、この3つが出来ない人が多すぎるって事も・・・


夏の日の1987・・・

あの頃の僕と今の僕。
まるで別人のプロポーション。Ah、気持ち悪いフォルム・・・の冴えないオサーンになってしまいましたが、ババヤとバンダイ、2つのBから学んだB-BOYイムズを軸に、これからも進んでいこうと思っております。

ありがとうバンダイ!
ありがとうババヤ!!

ヒグラシのなく頃になると、僕はあの夏の日の事をぼんやりと思い出す。

多分これからだって、ずっと・・・