閉店のお知らせです

創業半世紀の歴史を持ち、駄菓子屋ゲーセンの聖地としても知られる東京都品川区・南大井の【菊地商店】が閉店されました。

つい先日、光文社【FLASH】にて【コンビニが逃げ出した!最強レジェンド駄菓子屋】の特集を組んで頂いた際も、巻頭を飾ってくださいました。

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まさかのFLASHが駄菓子屋の特集を‥…
業界に激震が走った名特集

その光文社の担当者様より、閉店の連絡を聞きました。

数ヶ月前に訪問した際は、その該当ページを見開きで飾ってくださっていたそうです。

僕もおばちゃんには、何度もメディアのお仕事でご一緒させていただいた大恩人の1人でした

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緑白のテントに書かれた【おかし】の文字が柔らかい‥
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おばちゃん、こちらこそ言いたい
ありがとうございました‥と。

貼られた手紙を書き出させて頂きます

お客様へ

いつも当店をご利用いただきまして
誠にありがとうございました

当店は閉店させていただくことになりました
楽しい思い出になりました
本当にありがとうございました
菊地商店 店主

おばちゃん、南大井の歴々の子供達、駄菓子屋マニアを代表して、駄菓子屋研究家の土橋真が言わせて頂きます。

長きに渡りお疲れ様でした。

そして、本当にありがとうございました、と。

以下、『大切なことはすべて駄菓子屋が教えてくれた』※2017年記事より

東京都品川区。

日本の大動脈である東海道新幹線「品川駅」の所在地は、お隣・港区にあり!!

ターミナル駅が隣の区に属すというアンタッチャブルな事実はさておき、花のお江戸の日本橋~京都へ続く東海道53次の初っ端を飾り今なお往年の面影と旅情を残す「品川宿」を筆頭に、わが青春の五反田大崎エリア、しこたま酔いつぶれたくなる大井町周辺や縄文スパーク爆発な大森貝塚、近未来的輝きを放つ天王洲アイル・湾岸地区などを擁する、新旧ごちゃ混ぜ感がとても魅力的な人口約38万のお江戸チャンプルーな街。

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(前略、道の下より撮影。赤いガチャが素敵やね〜)

今回紹介しますは、南大井・桜新道にある創業40年の歴史を誇る「菊地商店」。

筆者も久しぶりに訪れました。

店頭のガチャガチャと10円ゲームが心にグイグイ攻め込んできますよね~。

子供達もひっきりなしに訪れては、中でおばちゃんと話したり、店内のゲームエリアで遊んだり、外で友達同士楽しくおしゃべりしたり・・・

昔と変わらぬ温もり。

そりゃ映画「闇金ウシジマくん」のロケ地になったり、芸能人が訪れたりしますよ。

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(前略、店の前より撮影。手前が駄菓子ゾーン)

駄菓子屋ゲーセンとは?

70年代に興り80年代に隆盛を極めた駄菓子屋スタイルです。

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(ネオジオもあるし、かなり楽しめるエリアなり!!)

特徴として店内にゲームゾーン(アーケードゲーム数台~多い所で10台位)と駄菓子ゾーンがあり、主に前者は小学校高学年(4時位まで)〜中学生(4時以降)、後者はオールマイティ前世代(幼児含む)が利用し、おのずと時間帯・世代間で住み分けがくっきりしていた事が挙げられます。

また、ゲームセンターに比べ、やらなきゃハドソン的格安さ(1PLAY20円~50円)も魅力であり特徴です。

往年の名作「ファイナル・ファイト」の続編「ファイナルファイト2」もあるぞ!

マイクハガーとフルネームで名乗るところがマッドシティ流。

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(ファイナル・ファイト2も絶賛稼働中!!)

「菊地商店」はおばちゃんのいる手前側が駄菓子ゾーンになっていて、奥座敷にゲームが数台置かれています。

ゲームをする為に必ずおばちゃんのいる場所を通り、腹が減れば駄菓子ゾーンで買い物し、帰りも同様におばちゃんのいる場所を通り家路に着く・・・

このふれ合いの場がゲームセンターとの明確な違いであり、「駄菓子屋ゲーセン」の織りなすファンタジーゾーンでもあるのです。

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 (小腹がすいたら駄菓子ゾーンでお買いもの。)

かつて国民的アイドル?だった加護ちゃん・辻ちゃんが人気絶世の頃に撮影に訪れた事もあるという「菊地商店」。

声変わりレベルから考えても、当時の二人と同世代であろう数人が打倒ファミコンロッキーを胸に秘めゲームに興じていました。

そしてこの世代より少し上の中学生の一団が来訪すると、あくまでも自然と店の主役は入れ代わりました。「YO、元気?」中学生の一言に前主役達が「ハイ」と答えていたのが印象的です。

まさに年功序列。

「菊地商店」にはいまだにこうした貴重な生きた教えが残っていました。

「菊池商店」アクセス

JR東海道本線「大森駅」徒歩12分 京急線「立会川」徒歩10分

東京都品川区南大井4-14-19