埼玉県富士見市

領内全域より霊峰・富士🗻を望める事から名付けられし『富士見村』がそのルーツ。

日本の歴史公園100選に選出されている縄文時代の大規模な村落跡・『水子貝塚公園』など、古くから人々の生活の痕跡が見られるのも、穏やかな武蔵野の気候と荒川・新河岸川・杭瀬川の豊かな恵みが為せるわざなり。

ふじみ野・鶴瀬・みずほ台。

東武東上線の市内3駅から東京の一大ターミナル『池袋』駅まで30分圏内と言う優れたアクセスや、便利で楽しい『ららぽーと富士見』、それに負けじと頑張り続ける魅力的な商店街群が子育て世代を引き寄せ、今や人口約11万人!

中世の城郭跡『難波田城公園』や、狛犬ならぬ狛蛙がお出迎えの由緒正しき『水宮神社』はぜひとも行きたい‥
結成以来、絶え間なき努力を重ねトップを走り続ける『週末ヒロインももいろクローバーZ』が、元メンバー・有安杏果の故郷である縁からPR特別大使を務める『キラリとかがやく』ココ☆ナツベイベーな魅力にあふれる街。
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(話題の顔はめパネル『水宮神社』。駐車場完備の甘美な社)

今回は、富士見市立水谷小学校の目の前と言う、いなせなロコモーション‥もとい粋なロケーション。

コカ・コーラの自動販売機+色とりどりのガチャ+テントと幟の青と黄、そして後方に聳える優しき緑の木々の色彩が織りなす、ももいろクローバーなコントラストに胸が踊りまする‥

水谷小の在校生・卒業生達をはじめ、近隣の子供達に愛され続けてきた駄菓子屋、『林商店』をご紹介します。

※取材時は2020年9月
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(遠くからでもよく目立つ。さすが彩の国。色彩の妙をぜひ現地でお確かめください)
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(日本古来の土間をフルに活用。島式の駄菓子ブースのありがたさよ!)

「創業は、かなり昔に遡ります。店としてだけで言うと、100年近くになりますね。なんせ、私で3代目ですから。」

と話してくれたのは、『林商店』3代目にあたるおじちゃん。

それもそのはず。
当ブログに情報を寄せてくれた読者の方は「私たちは『さかなや』と呼んでおりました。先代が魚・煎餅をはじめ食料品一般を商っていたので、そう呼ばれていたんでしょうかね(笑)。遠い昔の話です・・自分が子供の頃から通っていた店に孫(産まれたばかり)と一緒に通うのが夢です」と申されておりましたので、歴史ある店だと思っておりました。

「この建屋は築50年位になりますかね。奥の母屋は創業後に増築したって聞いてるから、90年近くになるんじゃないかな?今でもバッチリ現役ですよ(笑)」

どひぇ〜。
そんなに経っているとは全然見えない‥

家も店も、愛情持ってきれいにしていれば、風雪に耐え、長持ちしてくれると言う、いい事例を見させて頂きました。
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(店の各所にベンチ・椅子が配置。店内で買物⇔飲食⇔会話のゴールデンサイクルが完結)

パッと視界が広がる店内。
動線を配慮し、島式の駄菓子ブースが各所に配置されております。

縦横無尽に駄菓子を選ぶ子供達をまるで見守るがごとく、窓際に配置される数多の10円ゲーム(駄菓子屋ゲーム)達。

どうでもいい情報だとは思いますが・・・
筆者はいわゆる『土間』の匂いが大好きなんですね。

今はもう残っておりませんが、戦後の復興期に建てられた祖父母の家にも土間空間が広がっており、独特の香りが本当に好きで好きでたまらなく、祖父母の家に遊びに行くと土間の匂いを嗅ぎまわる事がお小遣いをもらう事と双璧を為す楽しみだったのでした(笑)
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(子供達を見守る様に10円ゲームが陳列。椅子に座りながら没頭したい‥)

『林商店』の中にはベンチを始め各所に椅子が置かれております。

子供達はここに座り、駄菓子を食べ(イートイン)、お喋りに興じる‥
『密』と言う概念が希薄と言うより気にされてなかったコロナ禍以前は、見事なゴールデンサイクルが店内では形成されていた事でしょう。

そんな事に想いを馳せていると、ある欲求が沸き起こってまいりまして‥

ここの椅子に座り土間の芳香な香りに包まれながら10円ゲームを一人で楽しめたら幸せだろうなぁ‥と言う欲求が(笑)

そして‥
自然の中で森林浴をしながら楽しむ釣り人が如く、静かな気持ちで100円を10円に両替機でくずしチャレンジ。

不思議な事に、10円を入れた時に聞こえる「ガッチャン」と言う効果音、ミスした際に終わりを知らせる切ないMelodyが、鳥のさえずり・川のせせらぎの様に心地良く聞こえてきます‥

気づけはあっという間に都合10回のBird chirpingタイム。

子供の頃はプロ級の腕を持っていた筆者も、二十歳過ぎればただの人(笑)

清々しく意気消沈(笑)する筆者の姿を見ていたおじちゃん。
「子供と一緒に来るお父さんの方が夢中になって真剣にやってるよね。特に昔からの常連さん達なんて、真剣そのものだから(笑)
との事。

10円ゲームって釣りと同じで、あくまでも自分との戦いってことを、改めて知ることとなりました。
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(『カーレース』『スペースシグナル』パチンコの案配が絶妙‥昔は何でも上手かったのになぁ‥)
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(独特のRHYTHMを奏でる10円ゲーム達。デパートの屋上を思い出します‥)


バブル景気後、日本社会が歩んだ30年と『林商店』が総合食料品⇒駄菓子屋専業となった30年は重なります。

近隣に何軒もあった駄菓子屋も、店主の高齢化⇔後継者不足などにより、次々に廃業。

「この辺りも昔は一面が田畑だったんだよ。開発が進み宅地が増え(現在も)、子供も増えてるんだけどね。みんな高齢になって辞めちゃって‥寂しいよね‥」

おじちゃんの御言葉、とても深い慕情を感じました。

同業である他の駄菓子屋さん達の廃業、実はコロナ禍以前から顕在化していた問題で‥

2011年〜
地図にもネットにもタウンページにも載ってない駄菓子屋を探し、訪ね歩き駄菓子屋文化の重要性を発信し続けて来た筆者ですが、その時点で「気付くのが少し遅かったか‥」と思った位です。

だからこそ、現役・廃業問わず全ての駄菓子屋さんにリスペクトの気持ちを持ち続け、この活動を続けてこれた訳ですが。

「うちも後継者がいないからね。いつ辞めるかわからないよ(笑)体が動くうちかな。」

そう言って笑うおじちゃん。
敬意を新たにした事、言うまでもありませんね。
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(壁に飾られる面子コレクション。貴重な展示品(売物ではありません))

3代に渡り、この地で街と子供達の移り変わりを見てきた『林商店』。

壁面には地域の案内紙が貼られていたり、約60年前〜の面子(メンコ)コレクション(非売品)が飾られていたり、店全体が多くの悲喜交交(こもごも)を見てきた、さながら活きた富士見博物館の様です。

「卒論の研究に来てくれた大学生が数人います。独立して富士見を離れた子が里帰り時に子供連れてきてくれたり、寄ってくれたり。いつまでできるかわからないけど、みんなのの役にたっているのかな・・、それで、今日は勉強になりましたか(笑)?」

たってるなんてレベルじゃないですよ。

さかなや・うどんやと呼ぶ世代から、今の現役Childrenに至るまで、『林商店』で駄菓子屋とは何たるかを学び、楽しみ、心の財産=思い出として、大切にしているの人達は末広がりなのですから。

『一生懸命やるってカッコイイ!』※
※2013年放送日本テレビ『THE Q』より

富士見の地で花開き、親子3代に渡り多くの子供達と思い出達を紡いで来た『林商店』。

PR特別大使ももクロの名言がピッタリの素敵なお店でした!!

『林商店』アクセス
埼玉県富士見市水子2560
コロナ禍です。営業時間・営業日等は要確認です・・