先の見えないコロナ禍‥

葛藤を抱えつつ、営業を続けられる駄菓子屋さんへ。

ここらが潮時か‥と、廃業（を決意）された駄菓子屋さんへ。

僕にとっての「思い出の駄菓子屋・ババヤ」同様、皆さんの心の奥底に生き続ける駄菓子屋さんへ。

そして、駄菓子文化を支え続けてきた全ての方々へ、Respectと感謝の想いを捧げます。

（2020年大晦日を持って閉店される、千葉県船橋市の『みどりや』本澤さん。最大限の敬意を送りたい‥）

告知と昔話。
そして、これからの事を少々書かせて頂きます。
おつきあいください。


2013年、夏。
と或る一家に、そしてその一家が総力上げて敷地内の竹林を開墾し創り上げた、と或る駄菓子屋と出会いました。

と言うと、「おいおい。自力で開墾って‥あんさん。墾田永年私財法時代の荘園領主か？力業にも程があるやろ？」と、すぐに僕の中に住まう生粋の歴史マニア君がツッコミを入れて来るのですが、事実なのでお引取願おう（笑）

さて。
その店の名は『まぼろし堂』

千葉県八千代市の長閑な田園地帯に忽然と現れ、大人も子供もおねえさんもみんなが楽しめる、夢の様に楽しい駄菓子屋なのてす。

(管理が大変な竹林を開拓。これぞ『まぼろし堂』スピリッツ！2013年撮影）

2011年発生した東日本大震災。

尊い多くの人命をはじめ、かけがえのないものを沢山失って、我々日本人は改めて人と人との『絆』の大切さに気付きました。

その『絆』や『心』を育む場所として駄菓子屋の重要性が再認識され、2011年以降、志ある人達が新たに駄菓子屋を開業されるケースが増えました。

定年退職後に自宅を改装され、駄菓子屋を始められた御夫婦。

本業の傍ら、駄菓子屋を併設させて居場所づくりをする、言わば未来への可能性を探る人達。

福祉施設の一角、施設利用者が駄菓子屋店主となり、地域社会とWin-Winの関係を築く取り組み‥など。

その人達の胸の中には、今も残る駄菓子屋にはもちろんの事、子供の頃に自分達が通った駄菓子屋、いわゆる『オラが駄菓子屋』達へのRespectがあった事は言うまでもありません。

僕はこの素晴らしき一連の流れ（あるいは新規開業された駄菓子屋さん自体）を『駄菓子屋ニューウェーブ』と名付け、応援してきました。

『まぼろし堂』開業=2012年
僕の駄菓子屋巡り+ブログ開設=2011年

そう。
僕らも『駄菓子屋ニューウェーブ』の一員なのです。

（もはや千葉のパワースポットとも言える存在。顔ハメはインスタ映えするぞよ）

共に頑張って来られた親父さんが亡くなられた後、「父の分まで！！」と頑張る家族の元には多くの頼れる仲間達が集まり、共に力を合わせ、世界に広げよう友達の輪スピリッツで、様々な取組にチャレンジ。

子供達を楽しませる為には、自分達（大人達）が最大限楽しまなくては！！を地で行くその姿。

その姿こそ、まさに駄菓子屋が織りなす地域社会の、いわゆる『絆』の再結集といっても過言ではありませんでした。

12/24（木）AM9:30〜9:40
12/31（木）PM16:45〜16:55
NHK（Eテレ）『SEED 悩みのタネ』に、その『まぼろし堂』が出演します。


駄菓子屋の楽しさ・懐かしさを放送する番組ではありません・・
むしろ、実際はその逆。

夏場以降、密着ソーシャル取材を通じ、コロナ禍における店の運営をどうすべきか？

様々な葛藤と苦しみ、それを乗り越えての営業再開へ向かう姿が放送されます。

緊急事態宣言以降、多くの駄菓子屋も同じ様な葛藤・苦しみをされてきた事は想像するに難くありません‥

皆様、覚えていらっしゃいますか？

社会的ニュースともなった自粛警察による「コドモアツメルナ　オミセシメロ　マスクノムダ」の張り紙を‥

（LINEでこの写真を貰った時、僕は本気で震えてしまった‥）

『まぼろし堂』のおもしろ担当・ひで兄から写真をLINEで直接貰った時。

名物女将・やっちゃんはじめ御家族、常連である子供達の気持ちを考えると、とても悲しく、それ以上に悔しく、震えが止まらなかった程です…

しかし、それらの苦境を乗り越え、営業再開を決意されたと聞いた時、以前とは真逆の感動で打ち震えると言う経験もしました。

子供〜大人まで全世代が考えさせられる道徳番組という、Eテレ（教育番組）に出演される事は、他の駄菓子屋・小売店に対しても大きな励みになると思います。

そして僕自身も非常に励みになりましたし、何よりとてもうれしかった！！

ひで兄。

昔、「駄菓子屋と研究家。お互い別々の道を進みながら、駄菓子屋文化を次の高みにもっていこうぜ！先ずは5年。そして10年！辞めずに続けること、これが1番大事だ（笑）」と酒を飲みながら交わした約束。

心折れながらもお互い、頑張ってきましたな〜！

（コロナで会えんので）心の中で一人祝杯をを挙げときますYO！！

（引き戸を開けて挨拶するのがまぼろし風の流儀。いい感じ也）

では。
最後は自分の事を少々と。

今年2020年5月・・
コロナ禍で、面会もままならない状況下で父を亡くしました・・

2018年5月、『マツコの知らない世界』の番宣（CM）が初めてTVで放送された日に父に癌が見つかり、同番組が放送される数日前に余命宣告を受けるというジェットストリームな記憶。

宣告よりも頑張って生きてくれた父に今は感謝しかありませんが。

番組放送終了後、友人・親戚から届く喜びの声・駄菓子屋関係者からの感謝の声にもテンションをあげることができず、本来ありがたく栄光の極みのはずの日々を、完全なる虚ろ状態で過ごしていた自分。
（SNSからのメッセージは、ほぼシャットアウト状態でした）

数多く舞い込むメディアからの出演・執筆依頼にモチベーションが保てず断り続けた自分。

駄菓子屋めぐりはもとより、時間を創り出す事が今まで以上に困難となり、気持的にも肉体的にもブログ更新危機に陥り、ここ2年は本当にキツかった‥

誰も教えてくれず、ネットにさえ答えも対策も出てきませんが、メディアに出れば出るほど、ファンや駄菓子愛好家達だけが増えてくれるのではなく‥

時に『名もなき口撃者』からのアタックや、距離感が？？の人達への対処法など、図らずも心を折ろうとするバラエティ豊かなホモ・サピエンス・サピエンス達がそのキツさに拍車をかけてくれた事。

なんとなく理解していただければ幸いです。

『駄菓子屋ハンター』として１選手としての活動は、それこそコロナ禍以前に潮時でした‥

番組に出た後こそが我の飛躍の時なり！！
と思っていましたが、信長の・・もとい『土橋の野望』は、夢まぼろしの如くなりでしたよ(笑)

しかし。
会社や家族の協力の元、父・母と寄り添う事ができたし、自分自身の今までとこれからを客観視できたし。

無理のない形で、次なるステージを目指していく用意が整いましてございますよ。

親父～！！
天国から見ててくれ～！

（親父の好きだった（もしくは行きたいと言っていた）店は制覇する。それが息子として親父に捧ぐバラード也。浅草『十八番』）

来年2021年は僕が駄菓子屋の持つ不朽の魅力にジュディオングさんレベルに『魅せられて』から10年という節目の年。

無くなってしまった駄菓子屋・亡くなってしまった駄菓子屋のおじちゃん・おばちゃん達へ。

コロナ禍でも奮戦続ける駄菓子屋・メーカー・問屋の皆様へ。

少子化・高齢化。
資材の高騰。
後継者不足。
低価格を継続せざるを得ない日本版デフレ状態・・・

駄菓子業界は日本社会の縮図であると言われて久しい現状下で、それでも子供達の為に頑張り続ける皆様こそ、日本が世界に誇る素晴らしき『文化』そのものです。

懐かしい〜
レトロ〜

ではない、さらなるステージへ駄菓子屋文化を引き上げること。

それが次の10年。
いや、5年以内に目指す新たな目標でございます。

あっ。
駄菓子屋巡り+ブログはペースをおとしつつも、続けていきますよ。

今までは1選手でしたが、これからは選手兼監督みたいな立ち位置で闘って行こうと思っております。

ですから皆様。

今まで以上によろしくメカドック！！