函館・長崎・横浜・神戸と共に黒船来航により世界に開かれた五港の一つ。
諸々ある市名の由来のほとんどが流域面積日の本NO1河川・信濃川に由来する、本州日本海側最大の都市である新潟県・新潟市。

その1区、旧白根市・味方村・月潟村の全域によって構成される南区は、300有余年の歴史を誇る白根大凧合戦で有名。
越後の名宰相・直江兼続公が整備したと云われる中ノ口川と、大河・信濃の流れに洗われた人口約4万4千人。
国内有数の穀倉地帯として知られる肥沃な越後平野のほぼ中央に位置する町。
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(白根大凧合戦が繰り広げられる中ノ口川。穏やかながら貫禄を漂わす川面!)

今回は、中ノ口川に沿う様に続き、歴史長き白根商店街の中にあり、一般社団法人 白根青年会議所が運営、二人の優しき「駄菓子屋のおばちゃん」が交代で常駐している駄菓子屋「ガンギ屋」を御紹介します。
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(雁木=ガンギで覆われし商店街の一角にある『ガンギ屋』。イカすね~!)
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(レトロタッチと現代モダンの折衷スタイル。町情報・告知などが貼られているので要チェックあるのみ!)

ガンギ(雁木)=新潟や東北地方に見られる雪よけ仕様の屋根の事。

総延長日本一!
江戸時代前期に整備された16㎞にも及ぶ上越市の高田地区・雁木通りが有名で、この事からも雁木が商店街のアーケードの元ネタと言わる程の伝統的な構造なのです。

青年会議所の皆さんが名付けた「ガンギ屋」の由来、それは商店街に架かる雁木からヒントを得てつけられたとの事。
郷土の誇りと文化を駄菓子屋の店名にし、ガンギの元でスクスク育ってもらいたい!とする、皆さんの心意気がビシビシ伝わってきますね~!

そんな地元のパワーが結集した「ガンギ屋」。
早速は行ってみましょう!!
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(真ん中の島式の駄菓子box。壁際への配置。動線を意識した素晴らしき配置!)

筆者が訪れたのは、夕暮れ時とは言えまだまだ激アツ・・・もとい激暑な真夏の盛りの事。

「え~・・・東京??。そんな遠くからうちにお客さんが来るとは思ってもみなかったです(笑)。小さな店ですが、ゆっくりとなさってください!」

と、買い物に来ていた女の子グループと談笑中だったおばちゃん。
驚きと喜びの両面を持って筆者を迎い入れてくれました。かたじけないッス。

「嫁いできてからずっとこの町で暮らして来ました。だからですかね~。少しでも恩返しできれば!という想いで子供達と過ごしています。」

孫だけではなく玄孫までいらっしゃると聞いて、「えーー!!」と筆者が驚いてしまったほど若々しく元気なおばちゃん。

子供達に自身の事を「ばあちゃん」と呼ばせ、優しく微笑みかけるその横顔からは、白根っ子達への愛情が溢れ出していました。

いいですね~。
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(小上がりも机もあり、店内は子供達のフリースペース。使い勝手は無限大)
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(当て物系・クジ系も充実のラインナップ。当たりっていいシステムだよね)

「毎日の様に来てくれるお子さんや、『白根大凧合戦』などで帰郷の折に足を運んでくれる白根っ子達に『祖母の家』に来ている様に思ってもらえるよう心掛けてます」

「ガンギ屋」初体験の筆者も、遠き日の祖父母の家にいる様な温かな感じに包まれていたのも、おばちゃんの心意気がなせる業そのものだったのでしょう。

だからですかね?
白根の町の移り変わり、勇猛果敢な祭りの事、異常な気候に対する今昔物語(笑)に至るまで、色々と話を聞いちゃいました。
本当に勉強になったな・・・ありがとうございました。
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(白根の事は大凧に聞け!!勇猛果敢な武者達はステッカーにもなってるぞ!)

おばちゃんに別れを告げ店を出ようとした時、さっきまで「ガンギ屋」で駄菓子を買って家路に着いたはずの女の子が「やった~!当たってたよ」と嬉しそうに店内に飛び込んできました。

「良かったわね~」とこれまた嬉しそうに迎い入れるおばちゃんに対し、少女の甘えるが如し一言。
「やっぱ、宿題ここでやってく~」

他店(コンビニ・スーパー多し)のアタリ券を駄菓子屋に持ち込んだり、万引きはダメだぞ~!と、折に触れ当ブログで啓蒙活動しておりますが、こういう素直で真っすぐな子供の姿を見ると安心すると同時に嬉しくなりますよね!


子供は地域の宝物。だから地域みんなで育てていく・・・

商工会議所+おばちゃん達が織り成す、駄菓子屋「ガンギ屋」にはそんな温かな想いが溢れていました。
皆さんも是非、「ガンギ屋」に遊びに行かれてはいかがでしょうか?

「ガンギ屋」アクセス
新潟県新潟市南区白根2954-1