これ以上はない程、「喉元過ぎれば~」の好事例だった2000年問題

コンピューター(死語?)が西暦を読み違え、金融からはじまり、果ては人工衛星・兵器までもが誤作動を起こし人類滅亡レベルの大パニック状態に・・・
「これこそまさにノストラダムスの大予言の真の意味か?」的オカルト論を含め百花繚乱、一連の騒動ハンパなかったですよね!

もう皆さん、その記憶、忘却の彼方でしょうけど(笑)

上記の様に強烈なインパクトはなくても2000年以降、じわりじわりと日本を蝕んでいる問題の一つに「後継者不足」が挙げられます。
少子化+高齢化のダブルパンチが主要因とは言え、必ずしもその仕業ではない所が恐ろしいこの問題は、駄菓子業界において相当深刻な問題として常について回っているのです。

平成も終わりを迎える近年において、廃業されるメーカーさん・問屋さん・駄菓子屋さんは枚挙に暇ありません・・・
2018年廃業された井桁千製菓さんもその一つ。
同社が誇るトンガリ菓子が無くなるという事は、一部の好事家達の涙だけに収まらず、老若男女多くの人達を悲しませたのは記憶に新しい所。

あのマイルドな味、柔らかな口解け感、パッケージの動物たちに二度とお目にかかれないと思っていたのに・・・・

な、なんと。
井桁千製菓と同じく名古屋に本拠を持つ、あの「こんにゃくゼリー」シリーズで有名なレジェンドメーカー・坂製菓が装いをリニューアルして販売を再開させてくれた!と、嬉し過ぎる情報が入ってきましたYO!!
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(動物のKawaiiパッケージ。装いを新たに継続なり!)
薄いマリンブルーのパッケージは、トンガリ菓子に対する皆の淡い想いを反映させたが故か?

Kawaii動物達を全面に押し出すベクトルは同じ。
にくいね~坂製菓!!

あくまで筆者の推測の域で、違っていたら申し訳ないのですが・・

多くの人に愛され続けたトンガリ菓子の商権を譲り受けた背景には、坂製菓さんが「このまま無くなってしまうのは忍びない。なんとかしてあげたいものだ・・・」と言う心のこもった想いがあったのではないでしょうか。

井桁千製菓さんも「同じ名古屋で、同じ駄菓子メーカーとして頑張ってきた坂さんになら。」と、安心して後を託されたのではないでしょうか。

筆者はこのアンビリーバブルなニュースを聞き、改めて新たなトンガリ菓子のパッケージを見た時、心が打ち震えました。
いちトンガリファンとして、この場を借りて惜別と御礼を言わせていただきます。

ありがとう。
坂製菓さん、井桁千製菓さん。
本当にありがとう・・・

ではね。
袋をこじ開けましょう。
見せてもらおうか?坂製菓のトンガリ菓子の外観とやらを。
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(ピンクとグリーンとプレーンの3種類を確認。ロックオンだぜ!!)

っと、その変わらぬフォルムに筆者のハートはパーペキにロックオン・・・
魅せられてしまいましたよ、往年のジュディ・オングさん以上に・・

「パリッ」とサクサク感に少し磨きがかかり、中身の砂糖のボリュームがたわわとこぼれんばかりに増量(筆者の感覚)

新生トンガリ菓子1袋=40円(税抜き・メーカー希望小売価格)


プラザ合意・バブル崩壊・ドーハの悲劇・2000年問題の荒波に耐え、自身の高齢化・後継者不在による廃業など、負のハードパンチを乗り越えてきた駄菓子業界の奇跡の軌跡を、新生トンガリ菓子が教えてくれた気がしました。

皆さん。
昭和⇒平成、そして令和へと続く駄菓子屋文化。
NIPPONが誇る我らが駄菓子屋文化をこれからも応援していきましょうぞ!