埼玉県熊谷市。

人間五〇年。
下天のうちをくらぶれば、夢まぼろしの如くなり・・・

信長公が愛してやまなかった幸若舞「敦盛」の元ネタ「平家物語」に登場、当時16~17の若武者だった平敦盛公に己の息子の姿を投影させたまま討ち取り、「もののあはれ」から出家した坂東武者「熊谷次郎直実公」の祖先が、熊退治をした事が地名の由来の一つ。

中仙道の宿場町として栄えた近世以降、新幹線も停まる鉄道(JR・秩父鉄道)の一大ターミナルとして発展。

悠々流れる荒川の懐に抱かれし市域は、関東最大クラスのうちわ祭や日本三大聖天にも数えられる国宝妻沼聖天山などの激アツな歴史・文化に恵まれる人口約19万5千人、夏の暑さは全国トップクラスを誇る埼玉北部最大規模の街。
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(駅前に鎮座する熊谷直実公。道路の真ん中で騎馬姿、諸行無常スピリッツは健在)

今回は、平家方にもおった真の侍スピリットを持つ斎藤実盛公所縁の地でもあり、2012年に国宝指定を受けた妻沼聖天山の参道にある駄菓子屋物語。

周囲の商店街と昔ながらの町並みがとても素敵で、町歩きにはもってこいの妻沼にある駄菓子屋「小林商店」を紹介します!
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(国宝・妻沼聖天山。荘厳な調べと町並みの美しさは素晴しいの一言)
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(参道途中にある小林商店。駄菓子の幟がはためくスタイル!!)

小林商店の歴史は古く、現店主御夫妻は2代目にあたります。
それがまた素敵な御夫婦なんですよ~!!

「母がやっていた頃は、文房具も取り扱っておりました。徐々に駄菓子を置き始め、今の形になったんですよ(笑)」とおじちゃん。

「菓子の小林だから『かしこば』なんて言われてましたね(笑)。もう店にメインで立つようになって20年も経ってしまいました・・・ハイ(笑)』とおばちゃん。

御夫婦の息の合ったトーク、駄菓子を選びつつも思わず聞き入ってしまいました。
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(とても分かりやすい配置の店内。右側に駄玩具・正面が駄菓子類!)
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(夏場はアイスが重宝される。キンキンに冷えてて美味しいぞ!!)

筆者が「小林商店」に伺ったのは夏も本番、夏休みのある日の事。

多くの観光客が訪れる中、若い学生さんグループや外国人の姿もちらほらと見受けられ、近年の御朱印ブームやポケモンGO効果もさることながら、寺社仏閣への関心が非常に高まっているのを歴史マニアとしては嬉しく思いましたが、さすが熊谷・・・暑い暑い(笑)。

「夏はやっぱりアイスが飛ぶように売れますね。それにしても今年の暑さは異常ですね・・」と、夏の暑さ日本一を誇る熊谷市の住人でもあるおじちゃんですら音をあげる暑さ。

その後は二人の御厚意に甘え筆者、店内でアイスを食べながら話を聞くという、夏限定のストロングスタイルにて(笑)話を聞かせてもらいました。
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(駄玩具コーナーも見ごたえがあってGood!限定麩菓子もあるで~)

「実は先代の母が亡くなった際、2カ月くらい考えたんです・・・店を続けるかどうかを。しかし、近所のお母さん方や、特に子供達ですね。子供達の『やめないで~😢』の声に続ける決心をしたんです。」

今や、その子達の中には休みや祭りなどで実家に帰って来るたびに「小林商店」に自分の子供を連れて遊びに来るパパ・ママが幾人もいるそうです。

「やっぱり嬉しいですよ。『おばちゃん覚えてる~』って言われてその顔を見れば、不思議にその子が小さかった頃の面影が浮かんできたりして。」

この関係ですよ!
筆者が駄菓子屋っていいよな~って思うのは、今通ってる子供達はもちろんの事、かつての子供達でも気軽に戻っていける場所であり、店側でもそれを心待ちにしているっていう関係だって事。

子供の頃に毎日の様に通っていた駄菓子屋はもちろん、行動範囲の広がった小学校高学年~中学生にかけて自転車で遠征した近隣の駄菓子屋のほぼ全てが無くなってしまった筆者にとって、昔から通っている駄菓子屋が残っていてくれる事は羨ましい限りです・・・
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(コーラのBOXの中に一時避難中のチョコ類。このアイデアはスゴイ!)

「えー?そんな事言われるとは思ってもみなかったです(笑)。ただ、夏は外置きよりも冷やしておいた方がいいかなぁと思いまして。」とは、「ナイスなアイデアですね!!!」とコーラBOXの中身を見て感嘆の声をあげる筆者に対してのおばちゃんの返答。

暑さに弱いチョコ系の駄菓子類、夏場はメーカー出荷が停止されるのですが、店頭に置かれるチョコ類はそうはいきません。
「小林商店」では夏場のチョコはコーラ飲料と共存!これがまたカッコよく収納されてて、見てて楽しいんですよ、本当に!


「駄菓子屋を巡り、駄菓子屋の文化を発信し続けていてくれる人がいる・・・それだけで私達にとってはすごく励みになりますし、嬉しい事です。これからも頑張ってください。応援してます!!」

帰り掛けにおじちゃんにかけてもらった言葉。
それを隣で聞き、微笑みを浮かべながら筆者に一礼してくれたおばちゃん。

駄菓子屋文化に感銘を受け、ずっとエールを送り続けている筆者に対し、逆に温かなエールを送ってくれたおじちゃん・おばちゃんの優しさにふれ、とても清々しくも温かな気持ちになりました。

皆さんも、歴史と文化と人の優しさにふれに熊谷へ、「小林商店」へ遊びに行かれてはいかがでしょうか?

「小林商店」アクセス
埼玉県熊谷市妻沼1498-1