東京都三鷹市。

江戸期にイケてる御鷹場(将軍家の鷹狩場)が三ヶ所あったとか、御⇒(み)と読み「御鷹(みたか)」からとったとか、色々言われる市名の由来。

東京23区(世田谷区・杉並区)に隣接し、かつて多くの文人達(太宰治・武者小路実篤・山本有三などが居住)が愛した武蔵野の原野を今なお悠々流れる「野川」や「仙川」、デートスポット・井の頭恩寵公園、トトロに出会える(かも?)と夢が膨らむ「ジブリの森美術館」など、都市の便利さと自然とが調和する緑豊かな公園都市として名高い人口約19万、筆者がリスペクトする新選組局長・近藤勇が眠る(龍源寺)町。
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 (そこのけそこのけ「野川」が通る!地元で愛される一級河川)

今回はその三鷹市の深大寺(水とそばで有名な「深大寺」の所在地は調布市)にあり、子供達や地域住民に愛され続ける駄菓子屋「ふじや」を紹介します。
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(文字通り町角にある駄菓子屋「ふじや」。いい雰囲気だねぇ・・)

四方がガラス張りで、空いていれば店内の様子が良く分かる「ふじや」。
ガラス戸を開けると、優しそうなおばちゃんが「こんにちは!」とニッコリ。
駄菓子を選びながら(これは真剣なんですYO)、おばちゃんに色々な事を教えてもらいました。

元々は総合食料品店として永い歴史を有していた「ふじや」。
駄菓子屋へとクラスチェンジしたのが今(2016年現在)から約30年前の事。
ずっと二人三脚で、一緒に店を切り盛りしてきた御主人が亡くなられたのが契機でした。
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 (店の外からも見える駄菓子の陳列。大人も童心に還っちゃうね!)

以来30有余年。
今や「ふじや」はこの辺りの子供達・地域住人になくてはならない駄菓子屋かつコミュニティスペースと言える存在!

おばちゃんから、駄菓子の事・子供達の事・三鷹周辺の移り変わりなどの話を聞いている最中にも、店には駄菓子を買いに来る元気な子供達のグループや親子連れ、ふらっと寄った的な地元の常連さんが訪れては、おばちゃんと何気ない会話を交わしていきます。

そのやり取りを見ながら、「とても地域に根付いてるなぁ・・・」と感心せざるを得ませんでした!
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 (撮影した時は気づかなかった・・・一日一食のトレイ、気になるYO!)

子供達はお客さんとして来るだけではなく、時に生徒として学びに来る事もあります。

それは、近隣小学校の課外学習の一環。
おばちゃんが先生役となり仕事内容、売れ行きの駄菓子や値段に至るまで、普段とは違う話を子供達にレクチャー。
目をキラキラさせた子供達、小さい手で御手伝いをしてくれたりもしたそうです。

そしてその後。
子供達が、おばちゃんへの感謝と想いをスパークさせて書き上げ、今やおばちゃん自身の「宝物」でもある各世代がくれた「感謝状」の数々。

「これを見る度に力と元気をもらってます(笑)ありがたいですねぇ・・」と目を細めるおばちゃんの姿に、心がポカポカして来るのは筆者だけじゃないはず。
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(素晴しき哉!!子供達も学校もおばちゃんも。みんなイイ!!)

永く続けていく秘訣として、「無理をしない事!体調が優れない時や辺りが暗くなったら閉店します。気ままにね(笑)!」と言うおばちゃん。

そして、「昔通ってた子供達が大きくなってから懐かしくなって寄ってくれたり、引っ越していった子が結婚してから遊びに来てくれたり・・・・。毎日きてくれる子はもちろん、そうした昔来てくれてた子の為にも、元気な内は続けていきたいですね」と、話してくれたおばちゃんの姿に感動でしたYO!

子供達の為、御自身の健康の為、巡り巡って地域の為、輝きを放ち続ける「ふじや」。
皆さんも一度訪れてみてはいかがでしょう?

「ふじや」アクセス
JR中央本線「武蔵境」駅・西武多摩川線「新小金井」駅 徒歩10分
東京都三鷹市深大寺2‐13‐1