山梨県山梨市。

風林火山のお膝元。悠久の時を刻んで流れる笛吹川、高く聳える富士の山。

新日本三大夜景(※)に選ばれた笛吹川フルーツ公園からの望む宝石を散りばめた様な甲府盆地は必見!
故・ジャンボ鶴田氏の故郷である牧丘町と三富町と合併⇒人口は約3万5千に膨れ上がり、武田信玄公が築いた防水林が名の由来・万力公園や、公の隠し湯と言われる秘湯「岩下温泉」・景色が激ヤバな「ほったらかし温泉」など、歴史と自然に彩られた見処・湯処が豊かな町。

新日本三大夜景・夜景100選参照。
他に福岡県北九州市・皿倉山の夜景。奈良県奈良市・若草山の夜景が挙げられる。
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 (「あずさ・かいじ」も停まるよ!市の中心ターミナル駅「山梨市」駅)
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 (笛吹川フルーツ公園より。夜景も素晴らしいが、昼の雄大さも完璧!)

今回紹介しますは、昭和9年(1934年)生まれ。今年(2015年現在)で81歳の元気で優しいおばちゃんのいる駄菓子屋「ともえや」です!
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 (山梨高校へと続く道すがら。角に見える「ともえや」)
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 (パン・和洋菓子の看板が目印!ナイスな面構え!)

「ともえや」は大正13年(1924年)の創業。おばちゃんのお父さんが始めたお店です。
元々は看板にも刻まれている様に、パン・和洋菓子・贈答用の菓子などをメインで扱っていましたが、徐々に駄菓子を置き始め、子供達~高校性に至るまで、多くの山梨っ子達の小腹を満たす、今のスタイルになっていたのだそうです。

「店に来てくれる子供達と毎日色んな事を話します。ボケないどころか、非常に勉強になる事ばかりで(笑)。本当に楽しいし、感謝!ですね」とナイスな笑顔で話すおばちゃん。

たくさん笑う事も、ボケ防止!と言うより、若さを保つ秘訣と言った方がいいのでしょう。「ともえや」のおばちゃんを見ていて、そう思います。
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 (夏場は姿を消すチョコ系の駄菓子。そりゃそうだ。溶けるしね)

おばちゃんは、あの悲惨な戦争世代でもあります。

尋常小学校の高学年だった多感な時期と敗戦色が濃くなっていく時期が重なり、事細かに甲府空襲の話や、東京から疎開に来た同年齢の子共達の話など、教えてくれました。

当時の事を肌で知るおばちゃんから聞く生の話。本当に勉強になりました。
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(冷蔵庫の中はアイスだけじゃないYO。解けないようにチョコも!!)

戦争中の事、山梨市の移り変わりの事、おススメの湯処の事など、多岐に渡っておばちゃんと話していると、「こんにちは~」の掛け声と共に紅顔の少年が3人、店に雪崩れ込んできました。

これがまた、3人そろってメチャクチャ元気で。
もうね、笑っちゃうくらいでした!!!

「おばちゃ~ん。これ当たり付き?」とか、「これ買ったらお金が足りないから、どれにしようかな?」とか。
3つの口から交互に繰り出される甘えを含んだ質問や、「ねぇねぇ聞いてYO」的な振りから開始される少年達の夏の思い出の1コマまで。

おばちゃんはニコニコしながら、話を聞いては質問に答え、一緒に笑いあっていました。
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 (当たり付きの駄菓子は、今も昔も人気商品!盛り上がってたねぇ~)

保護者を介さない、子供達とおばちゃんとの温かいやり取り・・・

そのホンノリとした光景を、「失われた20年」と言われるバブル崩壊以降の社会で、経済以上に失われてしまった(メディアも誰も何も言わないけどね・・・)本来の地域社会の在り様が「ともえや」をはじめ、駄菓子屋には残されているんだなぁ・・・と感慨深く見つめていました。

「また来てくださいね。今度は奥さんとお子さんを連れて、ゆっくりしていってね!」と、別れ際に言ってくれたおばちゃん。
あ・・ありがとう。少しジーンとしちゃいました・・・・・

宝石を散りばめた様な夜景がとてもキレイな山梨市。
その明かりの一つは、おばちゃんの優しさがキラキラと店内を灯している「ともえや」なのでしょう!

「ともえや」アクセス
JR中央本線「山梨市」駅 徒歩5分
山梨県山梨市上神内川134