神奈川県中郡・二宮町。

渚をゆうゆう散歩する若(老)大将達もどこかシャレオツ。
サザンやTUBEの歌でもおなじみ、別れ間近には無傷じゃいられないStop the season in the sunな青春エリア・湘南。

 その湘南の西端に位置し、戦時下の無常感・悲惨さを世に伝える高木敏子氏の名著「ガラスのうさぎ」の舞台としても有名。
夕暮れ時の箱根山や、西湘バイパス越しに見る雄大な相模湾(運転には十分お気をつけて!)など、風光明媚な景観で名高い人口約2万8千人、「寒川神社」に次ぐ相模国第二宮「川勾神社」がその名の由来となった町。
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 (駅前に建つ「ガラスのうさぎ」の銅像。平和の象徴)
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 (坂道を登れば、そこは海だった・・・っていう道がいっぱい!)

今回御紹介するのは国道1号線上にあり、創業はな、な、なんと・・・80年前!、激しい戦火をも乗り越えてきた二宮町のランドマークとも言える海のそばの駄菓子屋「萬壽屋」です!
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 (国道1号線を走っていれば、その雄姿が目に飛び込んでくる!)
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 (駄菓子と一緒に多くの駄玩具がぶら下がっている。いい感じ!)

店内ではおじちゃんと数人の子供達が会話の真っ最中。
そして、業者の方が山ほどのアイスを夏真っ盛りに向けて絶賛納品中。

湘南が最もスパークする真夏の様な暑い或る日の午後。
筆者が訪れたのは、そんな日の事でした。

「今日は所用で妻がいないんですが・・。ゆっくりとしていってくださいね」とおじちゃん。

多くの駄菓子・駄玩具・食料品が売られる店内。お言葉に甘えてゆっくりと楽しませてもらいました。
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 (アイスも駄菓子も駄玩具も!ゆっくり選べる楽しさ!)
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 (駄菓子の種類もハンパない!これは大量に買っちゃうZO!)

「妹(2代目の現おばちゃんの事。)が留守の時などに、手伝いに来ます。子供の頃から勝手知ったるお店だから!」と、店の歴史や、二宮町・子供達の移り変わりなどを細かく、そして詳しく教えてくれたのは、手伝いに来ていたおばちゃんの実のお姉さん。

以前は夏になると海水浴にくるお客さんの為に、ビーチボールや空気を入れるワニの浮き輪、さらには海パンまで売っていた「萬壽屋」。

せっかく、海に来た!夏が来た!って言うのに、海水パンツを忘れてくるあわてん坊が毎シーズン必ず、それも結構いたらしく、当の本人は相当焦ったでしょうが、笑ってしまいますよね。
皆も海水浴行くときは、今一度忘れ物チェックを!!
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 (テレビでも放映された事のある地元で人気の「萬壽屋」。)
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(新聞にも取り上げられた事もある。詳細は実際に来て読んでみよう!)

80年の歴史を誇る「萬壽屋」は、テレビや新聞に取り上げられる程、地元で愛されている駄菓子屋です。

その理由の1つとも言える、先代より脈々と受け継がれている心温まるエピソードを紹介します。
それはランドセルを背負った子供達が、学校から家路へと向かう放課後の事。

店の前を通る子供達に、店内からおじちゃん・おばちゃんの「おかえり~」の声がかかります。
それを受けて子供達、ニッコリ笑いながら「ただいま~」と大きく元気な声を返します。

実はこれ、子供好きだった先代のおじちゃん・おばちゃんが学校帰りの子供達にあいさつを始めたことがルーツで、今も「萬壽屋」と子供達の間で受け継がれています。
店の!と言うより、二宮町の伝統と言っても良い位、素晴らしいことですね!

あいさつに始まり、あいさつに終わる。
湘南My Loveなサーファー達も、そうじゃない観光客も。
昭和から続く素晴らしき伝統を今に伝える「萬壽屋」に来て、今一度大切な事を思い出してみてはいかがでしょう!

「萬壽屋」アクセス
JR東海道線「二宮駅」徒歩2分
西湘バイバス「西湘二宮」車2分
神奈川県中郡二宮町二宮329