千葉県・館山市。

房総半島の南端(旧安房国)に位置し、南国情緒溢れるゆったり・たっぷり・のんびりスタイルと、「南総里見八犬伝」(滝沢馬琴の超大作)の舞台としての歴史的な情緒が魅力。

関東の覇者・北条氏とガチでやりあっていた戦国大名・里見氏の居城館山城址にある「館山市立博物館」や、洲埼灯台、日本の道100選に名を連ねる「房総フラワーライン」はぜひとも行きたい。
海へも近けりゃ、魚もうまい。温泉良けりゃ、気候も人まであたたかい。
あとは里見氏の大河ドラマが決まれば最高なり!という人口約5万人の町。
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 (里見の姫君も見ただろうか?館山城址より臨む太平洋。)
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 (筆者も陰ながら応援している里見氏八犬伝。見たい!)

今回は高台にそびえる館山城址からの眺めが最高。
市民の憩いの場にもなっている「城山公園」のすぐ近くにある駄菓子屋「高梨米穀店」を御紹介します。
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 (遠目からでも間口が広いのがわかる!右半分は米屋スタイル)

「高梨米穀店」はその名の通り「お米屋さん」が出自。
お土産物や食料品を皮切りに、駄菓子を置き始めたのは昭和62年(1987年)の事。

4半世紀が経った現在では、館山の子供達にはもちろんの事、先代おばちゃんが御健在だった頃に通い多くを学んだ、かつての常連達(今は親になり、里帰り時に自分の子供を連れて来る。大切な心のサイクル)に愛され続けている、文字通り「町の宝」ともいえる駄菓子屋になりました。
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 (間口はかなり広く、向かって右が米屋。左が駄菓子屋スタイル)
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(店内には面白い仕掛けの様なモノもいっぱい!)

筆者が訪れたのは、南国と言えども非常に強い寒風が吹き荒れる冬のある日の事。

店内に入ると、「こんにちは~」とニコニコしながら出て来てくれたおじちゃん。一気に身も心も温かくなりました!

「南総里見八犬伝」の様に八犬士ではなく「関八州の駄菓子屋」を探しあて、真剣そのものに駄菓子屋の研究をしている旨を伝え名刺を差し出すと・・・・

「駄菓子屋探して千葉の南端まで!!!珍しい人もいるもんだ。ワッハッハ!」と顔を崩して大笑い!つられて筆者も大笑い!。
笑い声につられてか?奥から急な用事で外出の御様子だったおばちゃんも出て来てくれ、満面の笑みを浮かべながら「ゆっくりしていってくださいね」と言ってくれ、出掛けていきました。

とっても歓迎ムードでありがたや・・・
あ~、あったかいなぁ。
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(戦闘機はこれで覚えました!ツバメ玩具製作所のグライダー。)
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 (イカ系駄菓子は圧巻の品揃え。大人にもツマミで大人気)

おじちゃんに店の生い立ちから館山周辺の歴史や子供達の変化など、多岐にわたり色々と教えてもらいました。
中でも一番印象に残ったのは、子供達と会話のキャッチボールをする為に長年かけてたどり着いた「こんにちは」の大切さについて。

来てくれる子供達みんなと良い関係(言葉を交わし冗談を言い合う間柄)を結ぶにはどうすればいいのか?を真剣に考え続けたというおじちゃん。

「いらっしゃい」では一方通行。しかし「こんにちは」といえば、相手も言い返してくれる。
確信は実践に変わり、継続は習慣に変わる。
「こんにちは」を通して、自然と大人と子供が仲良く会話し、笑いの絶えない店内になっていったそうです。

いい話や~。
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 (銃の密売も手掛ける「高梨米穀店」。って玩具のね!)

南総里見八犬伝の舞台・館山市には、八犬士はおらずとも、幼き心に挨拶を通し「仁義礼智信」を知らず知らずのうちに教えてくれる駄菓子屋「高梨米穀店」があります。

その店内は温暖な房総半島の南風のような温もりと、子供達の笑顔で溢れているのでした!

「高梨米穀店」アクセス。
JR内房線「館山」駅 徒歩25分
富津館山道路「富津IC」約20分
千葉県館山市上真倉2240