岐阜県・中津川市。

「木曽路はすべて山の中である。」
島崎藤村の「夜明け前」からブレイクしっ放しの馬籠宿を筆頭に、江戸期の面影を色濃く残す中山道3宿(中津川宿・落合宿)と、平成39年(2027年)開業予定・近未来の象徴リニアモーターカー(リニア中央新幹線)の中津川駅(美乃坂本駅付近)の新旧・宿駅がどのように雄大な自然とマッチしていくか?
今後、内外の注目を集め続けるであろう歴史と自然深き木曽路の宿場町。

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 (あいにくの天気でスマン。市内を流れる中津川と木曽の山々)

今回はその宿場町・中津川の本町にある駄菓子屋「白川屋」を御紹介します。
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 (白川茶!緑の幟が目印。この趣は最高!)

正式屋号は上記の通り「白川屋」。
しかし、地元の子供達はみんな「白川屋」って呼ばないみたいで、「白川茶」って呼んでるとの事。
何故なのでしょうか?
それには理由がありました。

元々、駄菓子屋を始める前はお茶・袋菓子を売っていて、その名残が入り口に飾られている緑と白の「白川茶」の幟(のぼり)。
これを見て、中津川の子供達は代々「白川茶」と呼び習わしているのだそう。まさに子供達だけに伝わっていく宿場町の不文律の掟!と思ったら、「白川茶」の勇名は中津川を飛び越え、岐阜県内に知れ渡っているとの噂も!すごいね!
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 (おじちゃんが、奥から持ってきてくれた!マジで「白川屋」だね)

筆者が訪れたのは、春うららの4月の或るお昼ごろ。
駄菓子屋を巡っている旨を伝えると、「東京から!!!」と先ずは驚きを隠さず、次の瞬間には屈託の無い笑顔に変わってくれました。うれしい瞬間ですね、こういうの。
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 (間口が広い駄菓子屋スタイル。名古屋圏の特徴っす!)
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 (安室が若い若い!壁に貼られたポスターにも歴史を感じる!)

まだ昭和と言われていた時代。
木曽街道(中山道)の宿場町・中津川には物資はもちろん人の流れも活発で、周辺には何件かの駄菓子屋があったのですが、今では「白川茶」だけになってしまったそうです。

おじちゃんは色々と話してくれました。
店の歴史から中津川の移り変わり、中京圏の駄菓子屋事情も、消費税8%の時事ネタからリニアが通っての展望まで。
いやー勉強になりましたね。ありがとうございます。
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 (日本全国、駄菓子屋のおじちゃん・おばちゃんの想いは同じ)

おじちゃんと相当話し込んでいると、店の奥からおばちゃんが20年以上前に書かれた駄菓子屋の本や、「白川茶」が掲載されている岐阜の地域ポータル誌を持って出てきてくれました。

絶対数が少なくなったとは言え、毎日のように遊びに来てくれる子供達や近所のお年寄りの方。
里帰りする度に自分の子供を連れてくる、「かつて子供だった」大人達。
そして筆者のように突如現れる遠方からの訪ね人など。

「沢山の人に支えられて、ここまでやってきました。人と話すのは本当に楽しい。まだ元気なうちは続けていきたいですね。」と微笑みながら言うおじちゃん。
その隣りでニコッとしながら「また遊びにきなさいね。」とおばちゃん。

なんと素敵で粋なコンビプレイなのでしょう!
また遊びに行きますね!


超おススメです。
木曽路の雄大な自然と歴史の交差が生み出した宿場町・中津川の観光の際は、心温まる駄菓子屋「白川茶」に是非足を運んでみてください!

「白川屋(白川茶)」アクセス
JR中央本線「中津川駅」徒歩10分
中央自動車道「中津川IC」 車で20分
岐阜県中津川市本町2-1-26