東京都世田谷区・八幡山。

セレブしか住んでないと思ってる人の多さは国内トップレベルの世田谷区(実際そんな事は無いYO)。
23区内NO2の面積(トップは大田区)と、そこいらの政令指定都市をぶち抜く強烈な人口(約89万人。モチ23区TOP)を持つ、この区のサイレント・ナイトを楽しみたいならこのエリア。

多くの愛犬家・哲学タイマー(散歩家)で賑わう、徳富蘆花の偉業を今に残すホトトギスな「東京都公園協会 蘆花恒春園 HP」はドッグラン完備の憩いの場、そしてユニークな企画めじろ押しな「世田谷文学館 HP」で五感を刺激したいなら行くべし!な町。
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 (ドッグラン完備の「芦花公園」。土地柄シャレオツな人が多し)

今回はその八幡山で、祖父⇔母から3代目へ、心のバトンを受け継いだ感動の駄菓子屋「島田商店」を御紹介します。
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 (心のバトンタッチ完了!心温まるストーリー)

創業60年以上の歴史を有する由緒ある駄菓子屋「島田商店」と、筆者との出会いは駄菓子屋ブログのサイトから。(島田商店 ブログ
実は筆者、ブログやHPをやっている駄菓子屋には崇敬にも似た思いを抱いており、早速メールやり取り⇔アポイントをとり、訪問に至ったという流れです。
メールからおばちゃん(筆者の勝手な思い込み。後述に譲る)の優しい人柄がにじみ出ており、非常に会えるのを楽しみにしておりました。

訪問当日。まだ肌寒いとはいえ見事な日本晴れの或る日。
「芦花公園」のドッグランで遊んだ後は「島田商店」で栄養補給を!
愛犬家の間で徐々に浸透する駄菓子屋マジックを楽しみにしながら歩を進め到着!

店の前で、営業部長兼看板犬の「ロン様」がお出迎え!噂に違わず、人懐っこくて愛くるしい!
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(ナイス!営業部長殿。常務に昇進するのもそう遠くないかも?)

こんな感じで店先でお客を待つロン営業部長。
即メロメロに、メリーに首ったけ状態のまま店内に入る筆者。
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 (筆者を店内に誘う営業部長。巧みなスタイルに脱帽)

「いらっしゃませ。お待ちしておりました。」とまだ若い男性の声。
驚きました。
てっきり「おばちゃん」だと思っていた「島田商店」のメールの主が、筆者より幾分も若い男性だったと知り・・・

「驚きましたか?でもね、そう思われるのが「狙い」でもあったんですよ。」と、何ともいえない良い笑顔で筆者に話してくれました。
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(親子3代の想いが詰まった店内。いいお店だぁ~)

「去年まで母がやってたんです、この店。祖父がこの場所に駄菓子屋「島田商店」を創り、その祖父亡き後、母が遺志を継ぎ店を護ってたのですが・・・」

なんと・・・・
ここ八幡山で、多くの子供達(子供だった人にも)に「共通のシンボル」として愛される「島田商店」をしっかりと護り続けてきた3代目のお母さんは昨年亡くなられてしまったんです。つらいですね・・・・・

「自分は母が亡くなるまでは、店とは全く関係のない別の仕事をしていました。母の死後、半年間店を閉めてたんです。いや、実はもうこのまま店はやめようと思っていたんですが・・」と。

子供が減り続け便利至上主義が蔓延る昨今、駄菓子屋の存在意義の重要性とは反比例して、駄菓子屋を続けていく事の難しさ。筆者にも少なからず分かっているつもりです。

「祖父・母、みんなで護ってきた店をこのままにしていいのか?」とハンパない葛藤が胸に膨らんでいく中、自分の仕事を続ける日々。

しかし「島田商店」は半年間のブランクを経て再び店を開きました。
若い3代目を伴って。

葛藤を突き破り決心へと導いたのは、町の子供達が抱く「島田商店」への想いでした。
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(子供達から3代目へ、感謝状授与。マジで泣けるぜ・・・)

優しいおばちゃんとの思い出詰まった店を閉めないで欲しい。残して欲しい・・・・
多くの子供達が純粋に持つ想い。

仕方が無い。でも無くなっちゃうのは寂しい・・・
幼き頃通ったであろう近所の大人たちが持つ想いもあったことでしょう。

葛藤の末に駄菓子屋を引き継ぐことを決めた3代目を見て、「駄菓子屋やっていくのは大変よ~。」と天国のお母さんもうれしそうに笑っている事と思います。
きっと。

筆者は感動しまくりで、またの来訪を約束し、店を後にしました。
もちろん、営業部長のロンと、優しい駄菓子屋の想いに見送られながら・・・

「島田商店」アクセス
京王線「八幡山」駅 徒歩5分
「芦花公園」ドッグラン徒歩5分。犬同伴歓迎!
東京都世田谷区八幡山3-16-23