東京都足立区・関原。

区民のソウルトレイン東武伊勢崎線(現スカイツリーライン)の西新井駅・梅島駅の間に位置し、下町の香りを色濃く残す「関原不動商店街」を中心に、細い路地と人情がカフェ・オ・レの様にまじりあう町。

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 (細い路地が縦横に走り、下町の香りが漂う関原通り)

今回はその関原不動商店街の中にある駄菓子屋「浅見菓子店」を御紹介します。

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 (グンバツな路地と駄菓子屋の相性。)

「浅見菓子店」の創業は何と60年も昔の話。

足立区から世界に羽ばたいた北野武氏は、ここ関原と線路を挟んだ向かい側(足立区・島根)で60有余年前に生まれました。
戦後復興期の下町の姿をいきいきと描いている氏の自伝的名作「たけしくん、ハイ」の舞台はこの辺りで、「隣町のガキ大将とのベーゴマ対決」などで線路を渡ってたけしくんが「浅見菓子店」に遠征に来たかもしれません。そう思うと胸が激しくビートを刻みます。

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 (駄菓子を選んで、食べて、おしゃべりして。子供は成長するもの)

60年の歴史を持つ「浅見菓子店」は、今のおばちゃんで3代目。
関原周辺は古くからの住人が多く(3世代住宅は少ないでしょうが)、中には祖父⇔父(現役で通った世代)⇔孫(里帰りなどで通う世代)と、各々が「浅見菓子店」で歴代のおばちゃんと対峙するという貴重な経験を持つ家族もいるはずです。

家族間の共通の話題すら希薄になってきている現代日本において、同じ年ごろに同じ店で遊んだ共通の経験は、「単に思い出話という枠を超え、語り継ぐべき文化である」と言えそうです。

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 (子供時代の遊びの経験は、時を越え文化へと昇華する)

筆者が訪れた日、子供が入れ代わり立ち代わり「浅見菓子店」に入っていき、楽しそうに皆で駄菓子を食べたり、おしゃべりに夢中になっていました。
まさに健全・安全に子供を夢中にさせてくれる空間・・・・「浅見菓子店」のような場が今の日本にもっといっぱいあってもいいと思いますね。実際。

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 (ばら売りの玩具たち。この配慮は素晴らしい)

「浅見菓子店」の2代目のおばちゃんは健在ですが、現在は3代目おばちゃんと近所から手伝いに来る妹さんで店を切り盛りしています。温かな雰囲気が店をつつみ込んでいます。

姉妹二人が初代・2代目の育んできた「浅見菓子店」を守り続ける、その姿に筆者は感動しました。

その姿は子供達、いや子供の頃に店に通った住民達にも伝わり、ほんわかとした温かさを醸成しているのだと思いました。

皆さんも「浅見菓子店」で下町の温かさにふれてみてはどうでしょう?


「浅見菓子店」アクセス
東武スカイツリーライン「梅島駅」下車徒歩6分
東京都足立区関原1-21-23


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