埼玉県和光市。

東京23区の板橋区・練馬区と隣接する西埼玉の玄関口であり、古くは川越街道の宿場町・白子宿として栄え、現在は東武東上線から東京メトロ有楽町線・副都心線に乗り入れする分岐駅である「和光市駅」を中心に東武と西武のバスが仲良く市内を駆け回る、その名の通り平和の光を放つ街。

今回はその和光市で50年以上も営業を続ける駄菓子屋「かくれんぼ」を御紹介します。

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 (かくれんぼして遊んだ遠い記憶がよみがえる)

「かくれんぼ」は元気で明るいおじちゃんとおばちゃんの二人で交互に店番をしています。

数年前、家を新しく建て替えした際に二人とも駄菓子屋をたたもうとも思ったらしいのですが、遊び場が少なくなった子供達への愛情と、近所の人々が放つ「やめないで光線」の二本柱を心で受け止め、店を続けようと決心されたそうです。

素晴らしい気持ちの入った粋な駄菓子屋ですね。

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 (見事としか言いようがない陳列とおしゃべりスペース)

粋な心意気は店内の駄菓子の配置にも表れています。
おじちゃんのこだわり陳列の妙(配置を考えるのが何より楽しいとの事)は、駄菓子・駄玩具の種類の多さに関わらず見事に機能しており、店内はおしゃべりスペースも確保されています。

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 (このアイデア陳列には思わず絶句。おじちゃん会心の一作)

野生動物は一本の高速道路が開通したことにより、絶滅の危機に追いやられたり、エサを求めて命懸けで人里におりてくる事は皆さんも周知の事実だと思います。
実は和光の子供達も程度の差はありますが似たような状況です。
一本の車通りの為に遊びの場所は制限され、球遊び・大人数での遊びが禁止された公園に追いやられ、子供本来の欲求を満たせる場所を求めて自転車で命懸けで駆け回っている・・・・

やや大げさですが、本質はやはり似ていると言わざるを得ませんね・・・・
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 (ガチャガチャ店内設置。車対策の思いやりか?・・・)

「かくれんぼ」はそんな子供達が文字通り「かくれんぼ」で隠れる場所の様な不思議な安心感を持った「駄菓子屋」です。

「かくれんぼ中は「かくれんぼ」に隠れるのは禁止。でもまず駄菓子買いに「かくれんぼ」行こーぜ!」な-んて言ってる子供達の姿が目に浮かびます。

郊外での公害は既に車の存在そのものなのでしょうが、いくら安全とは言え家で一人遊び(動物で言えば冬眠みたいなもんかな)ばかりでは生きられません。子供には大いに遊んでもらう為(自然豊かな土地での餌さがし)、「かくれんぼ」にはいつまでも子供達の心の拠点(テリトリー)であり続けて欲しいものです。

「かくれんぼ」アクセス
東京メトロ有楽町線・東武東上線「和光市駅」徒歩20分
和光循環バス・「越後山橋入口」下車すぐ
埼玉県和光市南1-13-30

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